春を迎えたトスカーナから

復活祭の翌日(2013年4月1日) フィレンツエにて

 

 

先月末、満開の桜に見送られながら成田で飛行機に乗り込み、イタリアに入りました。現在ピサに滞在しています。日本から、イタリアに植樹された櫻たちに会いに、またイタリアの絹文化を研究するために、6月下旬までこちらに滞在する事となりました。

これからの約3ヶ月の間、イタリアに広がっていった櫻子たちと、そしてその櫻子たちを支え、愛して下さっているイタリアの人々に会えることが大変楽しみです。

ボローニャ空港からイタリアに入った先月末は、気温が10度前後というとても寒い天気でして、東京に比べてまだまだイタリアは春が来ていないな、という気がしていました。

先週、本会会長が長年、日本料理店を営んでいたことから関係が深いトスカーナ・フィレンツエに入りました。フィレンツエには、100本の櫻たちが植樹されています。
フィレンツエに着いたころから気温は段々上がりはじめ、トスカーナもやわらかな春の陽気に包まれはじめていました。そして丁度、私は日伊櫻の会(SEMAIA)のメンバーである、太田と共に、フィレンツエにて復活祭を迎えることになります。

3月31日、復活祭の朝。クリスチャンの国であるイタリア・フィレンツエでは、Duomoの前にフィレンツエ市民や観光客の人だかりが出来ていました。”SCOPPIO DEL CARRO”(山車の爆発)が行われるからです。復活祭の朝は、天気はよいとは言えず、ぱらぱらと雨が降っています。私たちも、儀式を拝見するために朝から最前列に並びましたが、傘をさしながら儀式の開始を待ちました。

しかしScoppio del Carroが、花で飾られた白の雄牛によってDuomo前に運ばれ、大量の爆竹がそれに設置されていき、そしてDuomo中から鳩(紙で作られた)によって運ばれてくる火がそこに付けられると、辺りは大きな歓声に包まれ、雨も止み光がさしました。

大量の白煙に包まれながら火花を放つ火車の姿を眺めながら、この儀式を長く継続し続けて来たフィレンツエ市民の郷土への愛と誇りを感じることが出来ました。

地域の文化が、長きに渡って市民たちの手により、愛され守られてきたこと、それが歴史を作っていることを強く感じることができ、こうした土地に櫻たちが根付いていることに、感激しました。

フィレンツエ、ピストイア、シエナ、ルッカなど、トスカーナの中だけでも、多くの土地で櫻たちが根付いています。
それぞれに素晴らしい歴史と文化を持った土地で、力強く成長している櫻にこれから会うのを楽しみに、こちらでの生活が始まります。

今週末は、まずシエナに向かいます。
こちらでシエナの櫻たちを見守って下さっているベニートさんと共に、櫻たちに会って参ります。それらの情報は、逐一、このブログで皆様にお伝えしますので、どうぞよろしくお願い致します。

沢辺満智子

 


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