イタリア櫻子視察 トスカーナ編

前回は、3月末から4月頭にかけて実施したイタリア櫻子視察の内、エミリア=ロマーニャ州のボローニャ、パルマの櫻子をご紹介しました。

今回は、トスカーナ州のシエナ、ルッカ、フィレンツエをご紹介いたします。
フィレンツエ在住の当会会員・中川章子さんからも写真が届いておりますので、そちらのお写真からもご紹介させて頂きます。
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シエナ  Siena
・Unità d’Italia

シエナには2011年、シエナ市の子供たちへの記念樹として寄贈植樹されました。50本の桜が、Unità d’Italia公園で元気に育っています。
当会の桜は、すべて実生桜です。その種も様々な種類があるので、多様な品種の櫻子が生まれています。
シエナの櫻子たちもオオシマザクラ系の白い櫻が多いですが、中には八重桜のようなピンクの強い多くの花弁をもった桜も生まれています。


ピンク色の強い、八重桜のような櫻子


(フィレンツエ在住 中川章子さん撮影)
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ルッカ  Lucca
・Ostello San Frediano
・Scuola Internazionale di Cucina Italiana

ルッカ市には、市営宿舎であるサンフレディアーノ宿舎の庭、また、ルッカ市の桜守を勤めてくださっているシェフ・ジャンルーカ・パルディー二氏が校長を務めるルッカ・イタリア料理学院の庭に寄贈植樹されています。

また今回、同時期に当会企画の春のトスカーナ・ルッカ視察旅行を実施しまして、当ツアーにご参加下さった皆様には、直にルッカで育つ櫻子たちをご覧いただきました。
現在、ルッカ市とは東京都・国立市が都市間交流を進めており、今回ツアーに参加下さった皆様も、国立市民の方々が中心となりました。


イタリア料理学院に寄贈植樹された櫻子は、大変元気に育っています。すでに5メートル以上になっています。


当会企画の春のトスカーナ・ルッカツアーにご参加くださった国立市民の皆様にも、ルッカの櫻子をご覧いただきました。
ジャンルーカ・パルディー二 シェフと櫻子の前で記念撮影。

サンフレディアーノ宿舎の庭園は、ルッカのシンボルである街の市壁沿いに位置しています。桜の後ろに見えるのが、ルッカの市壁です。
櫻子たちは、丁度イタリア式剪定されてしまった後の状態だったのですが、比較的湿度のあるルッカ市の気候が合っているようで、非常に元気に成長しています。
(視察後、ルッカ市側には、イタリア式剪定は今後避けていただきたい旨お伝えしております。)

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フィレンツエ  Firenze
・Parco San Donato

フィレンツエでは、2015年の10月サンドナート公園に30本の桜たちが植樹されました。ただ、フィレンツエはルッカなどに比較すると、乾燥が強く、また昨年の夏の厳しい暑さによって、桜たちもダメージを受けてしまっていました。
ですが、フィレンツエ在住の当会会員・中川章子さん始め、フィレンツエ市民の方々が熱心に様子を見てくださっていることで、桜たちもゆっくり、しっかりと回復・成長し、可愛らしい花を付けています。
また、以下の写真はすべて中川さんより当会へ送られたものです。


サンドナート公園の櫻子
フィレンツエの夏の厳しい暑さと乾燥を耐えて、花を咲かせました!


またフィレンツエ市では、当会の櫻子たちの9本の苗木が、市のビバイオにて大切に育てられ、見守られています。
将来この苗木たちも、市内に植樹されます。


ビバイオの櫻子は、このように可愛らしい花を咲かせています!!

イタリア櫻子視察 エミリア=ロマーニャ編

一面をピンクに染め上げる桜たちの季節も、東京では徐々に終盤を迎えております。

さて、当会ではイタリア櫻子たちの視察を3月下旬から4月頭にかけて実施いたしました。今回視察した場所は、エミリア=ロマーニャ州のボローニャ・パルマ、そしてトスカーナ州のシエナ・ルッカ・フィレンツエです。

イタリアでも日本とほぼ同じ時期、または少し早い時期に、当会の桜も満開を迎えました。すくすくと、イタリアの現地の方々に大切に育てられ、成長している櫻子たちを視察することが出来ました。

今回は、エミリア=ロマーニャ州の櫻子たちの様子をご紹介します。

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ボローニャ   Bologna 
・Giardini Margherita
・Parco dei Cedri

ボローニャの櫻子たちは、市民の憩いの場であるマルゲリータ庭園、チェードリ公園にて、非常に元気に成長しています。
比較的湿気があると言われているボローニャの土地があっているようで、2011年に土に植えられて8年、大きく成長しています。3月末日に訪れましたが、ちょうど満開といった季節でした。


Parco dei Cedriの道際で咲く櫻子

葉が赤茶色の山桜もあります。(当会の桜はすべて、実生桜です。)

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パルマ   Parma 
・I Girasoli Nido Scuola dell’Infanzia 周辺

パルマには、当会から以前100本の櫻子たちが、Girasoli幼稚園周辺地域に寄贈植樹されていましたが、気候などの影響によって枯れてしまった木々が多数生まれてしまっていました。ですが、今回改めて視察を行ったことで、28本もの櫻子たちが、元気に生育し続けている、または回復している事が分かりました。

桜の成長過程はボローニャに比較すると遅く、まだ花を付けられていない桜もありましたが、確実に大きく成長し始めており、今後、当会でもこまめにパルマの櫻子たちの様子を確認し、情報発信して参りたいと思います。

 

 

 

シエナの櫻子

東京の櫻も満開を迎えて、新しい出会いが訪れる季節となりました。

さてそんな美しい季節の折に、フィレンツエ在住の本会会員・中川章子さんより、また嬉しい櫻便りが届きました。

フィレンツエの南に位置する美しき古都・シエナの櫻子たちの様子を写真でお送りくださいました。

 

本会が寄贈している櫻たちは、日本の櫻の実生櫻ですが、実生なので様々な品種の櫻子達が生まれます。

こちらの櫻は、白とうっすらとした紅色の花弁が、美しく優雅に咲いています。これからますます、すくすくと育って、イタリアの方々を喜ばせてほしいものです。
章子さん、お写真ありがとうございました。

 

 

シエナの櫻子たちの様子については、4年前にも一度紹介しておりますので、是非お読みください。写真を比較すると、いかに櫻たちが成長したのかがわかります!記事はこちらから →→「イタリアの櫻子たち SIENAから

事務局が引っ越します!

日伊櫻の会を応援下さっている皆様へ

みなさま、大変ご無沙汰しておりました。
4月を迎え、東京は桜が満開です。まさに、春爛漫といった季節です。

この度、日伊櫻の会の事務局は引っ越しをし、新しいオフィスに移動となりました。
場所は以前と同じEVEビルディングなのですが、 4Fへの引っ越しです。
今回のオフィスは、一面ガラス張りのフロアですので、日の光もたくさんはいってくる気持のいい場所になりました!
また、こちらのフロアは今後、シェアオフィスとしても皆様に活用していただけるよう、現在準備中です。

新住所:
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台 3-3 イヴビル 4F
TEL:03-3293-2012 (代表)
FAX:03-3293-3315
*電話番号、FAX番号はそのままです。

御茶ノ水界隈にお越しの際は、是非、遊びにいらして下さい。
また、4月26日には、オフィス転居も記念して、イタリアの”食”をわいわい楽しめるイベントを現在計画しております。楽しみにしていて頂ければと思います。

詳細は、近日中にUPしますので、是非みなさま、26日の夕方のご予定をあけていただけると嬉しいです!

フィレンツエ在住の本会メンバー中川章子さんより、トスカーナ・シエナの桜
の写真が届きました!
イタリアの櫻たちも、元気にすくすくと育っています。

 

イタリアの櫻子たち Sienaから 

4月6日、真っ青な空が広がる快晴の土曜日、トスカーナ州の古都シエナに到着しました。

 

Siena, Piazza del campo

Siena Stazioneに到着すると、シエナ市在住でシエナの櫻子たちを土地で見守って下さっているBenitoさんが、まっ赤なFIATに乗って到着を待っていて下さいました。

Benitoさんは、シエナにあった料理学校の運転手として長年働かれており、その学校にはたくさんの日本人が生徒として通っていました。
車の中でBenitoさんに見せて頂いたアルバムには、数えきれない程の日本人との写真が大切にしまわれていました。
日本が大好きだとおっしゃるBenitoさんとともに、櫻たちが植樹されているシエナ市立公園に向かいます。

駅から来るまで10分もしないうちに、たくさんの子供たちが楽しそうに声を上げて遊んでいる広く美しい公園に到着しました。
公園は広大な斜面にそって作られており、その見晴らしのよい一番高いところに、60本の櫻たちがしっかりと、静かに整列して、根付いていました。

公園に植樹された60本の櫻たち

Benitoさんと櫻たち

シエナ市が作って下さった、櫻の記念プレート
”生まれたすべての子供たちへの 木” と名付けられています。
2007年にイタリアに送られたことを記念しています。

まだ子供であるこの櫻たちが、数十年後、日本の櫻のようにしっかりと土地に根を張って大きくなり、そして毎年訪れる春に豊かに花開き、公園で遊ぶ子供たちを優しく包みこむ姿が、脳裏に浮かびました。

木は、ゆっくりと、しかし着実に土地の栄養を身体にしみ込ませながら、しっかりと成長していきます。
シエナという土地と、その土地の人々にこれからたくさん触れ合い、成長する事で、いつか日本の櫻の木々が花をさかせて、イタリアの人々に喜びを与えてくれる木々になってほしいと思いました。

Sienaの櫻子たちに会った後、私はBenito家の長い長い昼食にお招きいただきました。全て手作りの、パエリエ、pesce(魚)のトマト煮込み、レンズ豆の煮込み、そして最後はエスプレッソのジェラート。どれも愛情が込められて作られており、大変な美味でした。
更には、食後は消化のためにということで、これまた手作りのcaffe入のグラッパ、オレンジのラキなどを頂き、イタリアの家族の長く豊かな食卓を体験させて頂きました。
終始食事の間は、Benito夫妻は日本にいらしたときの思い出を語って下さりました。 日本の食事、着物、寺や神社などに訪れたときの感動を、今でも忘れる事が出来ないと語って下さり、大変嬉しい思いでした。


イタリア人は、家族を大事にすると、どこでも耳にします。日本では、大都市で一人暮らしをする人が何年間も故郷に帰れないことがあると話すと、全く信じられない、と驚かれます。どうして帰らないのか、と。
楽しい時間をともに、長く共有することが家族の絆を深めることであり、またそれこそが家族であるならば、”共に食べる”という時間は、生活の中でももっとも重要な時間です。その時間を長く、豊かに取るイタリアにおいて、家族が強い絆で結ばれるのは自然なことだと思えました。

シエナ市の櫻が大きくなったら、木の下で、花を見ながら食事をしたいですね、と話しながらBenitoさんとお別れをしました。

Benitoさんの家に植えられた、櫻の木

Benitoさん、Sienaの櫻子たちを案内して下さり、また豊かな時間を共に過ごさせて頂きまして、本当にありがとうございました。これから、Sienaの櫻たちが成長して行くことが楽しみです。
沢辺