storia 「バラより桜」2

「バラより」Gabriele Rebagliati

 

 

Il rapporto conflittuale fra le rose e Leilani si era intensificato negli anni ma la ragazza ricordava bene qual era stata la causa scatenante che l’aveva portata a ignorare la loro bellezza provocante. Da bambina era solita portarsi sempre appresso un gatto di pezza. Erano inseparabili a tal punto che se il pupazzo avesse avuto il dono di parlare, avrebbe saputo consigliare Leilani meglio di qualsiasi altro: invece si limitava ad ascoltarla in silenzio e ad accompagnarla in tutte le sue scorribande. Un giorno erano in tre: Leilani, Paoletta e Kirika. C’era anche Teppete, il gatto di pezza. Kirika l’aveva strappato di mano a Leilani e lo agitava vorticosamente per la coda. Era da tempo che Paoletta aveva abbandonato Melody la marmotta stipandola nel cassettone dei giochi in soffitta; quanto a Kirika non lo dava a vedere ma soffriva ancora dopo che sua madre le aveva sottratto a forza Penelope, la volpina azzurra compagna di giochi per affibbiarla alla cuginetta di cinque anni. Kirika non se n’era ancora fatta una ragione ma sostenuta da Paoletta si stava convincendo che avrebbe potuto farne anche a meno. Si sentivano grandi nei loro vestiti a fiocchi e di lì a poco pupazzi e pupazzetti sarebbero definitivamente stati sostituiti nelle loro vite da rossetti profumati e riviste per ragazze. Quel pomeriggio toccava a Leilani. Teppete rappresentava il sacrificio necessario per dimostrare solidarietà nei confronti delle amichette. Un’opportunità che le davano per crescere. Loro lo facevano per lei. Teppete sarebbe volato lontano nel fossato che si apriva oltre il muro di cinta vicino al quale si stendeva in tutta la sua bellezza il roseto.Ci avrebbe pensato poi il fiume a trascinare Teppete lontano dalle loro vite.

 

the day I became a woman

 

Semi di SAKURA運営委員の沢辺です。

葉っぱの後ろからこちらをひょっこり覗く、小さな虫。
アーモンド型の瞳に、おちょぼ口、丸く白い顔。
それをおおう黒い背中は、漆黒の長い髪のようにも見えます。
この虫、東洋的でもあり、女性的に感じられます。

これは、私たちSemi di Sakuraのメンバーである、イラストレーター、フィリップ・ジョルダーノ(www.philip-giordano-pilipo.com)による作品”THE DAY I BECAME A WOMAN”の作品の一部分です。
絵本作家として活躍するフィリップは、2011年に来日しました。この作品は、来日する数ヶ月前にイタリアで作成したものです。昨年夏、わたしが初めてフィリップに出会ったとき、彼のパソコン内のデータとして、はじめてこの作品を見ました。

フィリップの作品の中で、このあと虫は葉を食べて大きく白い繭をつくります。つまりこの虫は、baco da seta、蚕だというのです。そして作品の中では、繭の中からは女性が生まれるのでした。
私は、養蚕文化について興味をもって調べているのですが、初めてこの作品を見たとき、強い衝撃を受けました。
養蚕にまつわる日本をはじめとする東洋の民話や神話では、繭をつくる虫、蚕はほとんど女性視されています。例えば、死んでしまった女神の生返りとして、蚕が世界に登場するというパターンは多々あります。蚕の霊は、女性の霊と見なされるのです。ですので、作品を見たときに、私はフィリップの作品と東洋の養蚕神話との関連性を見いだした気がして、とても驚きひとり興奮したのでした。

ですが、フィリップにその神話や民話のことを話してみると驚きながら、「全く知らなかった」と言うのでした。更に、「繭をみたことすらないよ」ということでした。
蚕の神話もしらず、実物の繭も見ずに、こんなインスピレーションが生まれるのだろうか、と驚いたことを覚えています。
「とくに何も考えなかった。ただ手が動いて、そしたら、これが生まれた」とフィリップは言います。日本に来る前、無意識の中にあるフィリップに訪れた、”何か”。その”何か” がTHE DAY  I BECAME A WOMANを描かせたのです。

神話、それは無意識にあるときの人の精神の動き、とも言われます。
フィリップのこの作品と東洋の神話との関連が私の脳裏をよぎったとき、様々な国籍や文化、そして時間を超えて、人々が共通にもっている精神の動きを垣間見たような気がしました。

 

私にとって、このTHE DAY I BECAME A WOMANという作品に出会えたことは大きな喜びと驚きであり、つまりその喜びと驚きは、フィリップに出会えたことそのものがもたらす感情でもありました。
そして、それは、私の養蚕文化にたいする興味関心をより一層つよく幅広いものにしてくれました。

今回フィリップは、この作品を、トリノのシルクスクリーン工房で70部印刷しました。
トリノは、semi di sakuraのメンバーである、ガブリエレとフィリップが長く学び、暮らした、二人にとってゆかりある土地です。
そしてトリノはまた、養蚕に関心を持つ私にとっても、興味深い土地であります。なぜなら、絹織物で世界に名を馳せたリヨンに近いピエモンテ地方は、養蚕大国イタリアのなかでも屈指の養蚕地帯であり、その地方の養蚕普及指導を担った行政中心都市が、紛れも無くトリノだったからです。そのため、過去にはトリノに、生糸検査所や養蚕関連の技術研究所などがあったのでした。
イタリアトリノから日本に届いた、繭をつくる虫をテーマにした作品、”THE DAY I BECAME A WOMAN”、その1部を今日、フィリップから見せてもらいました。

その作品を前にすると、時代や場所を超えて、ふとした瞬間に人々に感受される、不思議なイメージ、不思議な”何か”に接近できるような気がします。
それは、詩的想像力や直感のようなものかもしれません。
そしてその”何か”とは、この作品を生み出したフィリップの心を捉えたものでもあり、そしてまた東洋の神話を創造し、語り繋いできた人々の心を捉えたものでもあるように思えます。


THE DAY i BECAME A WOMANに関する情報はこちら↓
http://www.printaboutme.it/2012/07/micro-press-philip-giordano/

 

 

 

 

7月20日 semi di sakura お茶会

7月20日金曜日、午後の5時よりSemi di Sakura(イタリアに日本の櫻を植樹する会)主催のお茶会を行います。
Semi di Sakuraは、まだはじまったばかりの組織です。私たちの活動が、イタリアと日本、更には様々な国の人々との相互交流を深め、より豊かで創造的な未来を創っていくことに寄与でいればと思っています。私たちの活動を応援くださる会員の皆様に、事務所においでいただいて、お茶会に参加して頂ければと思います。
メンバー一同、御待ちしています。

日時:7月20日 17時〜19時 (途中参加可能です)

場所:東京都千代田区駿河台3丁目3番地イブビル3F(Semi di Sakura事務所の隣にある和室で行います。部屋に入る際に、足袋が必要となりますので、ご持参いただけますよう御願い致します。)

料金:大人1000円、学生500円

*イタリアに日本の櫻を植樹する会の会員の方を対象としたイベントとなります。よろしくお願い致します。

問い合わせ:machiko@nichii-sakura.com  03-3293-2012

 

 

storia 「バラより桜」

「バラより」  Gabriele Rebagliati
La nonna di Leilani possedeva un roseto che faceva invidia all’intero vicinato. Venivano dai paesi limitrofi a visitarlo. Era la sua principale preoccupazione prendersi cura delle rose. Il roseto era stato il teatro delle avventure d’infanzia di Leilani. Le sere di primavera diventava il luogo preferito dove le comari si radunavano per parlare consumando tra una chiacchiera e l’altra una coppetta di gelato e un bicchiere di succo di rose fresco. Leilani invece non aveva particolare interesse per quel posto. Non riusciva a capire come la nonna potesse passarvi interi pomeriggi assorta come incantata da quei vegetali difficili. Certo aveva dei ricordi legati al roseto: ma era solo questione di coordinate spaziali, i fiori in sé non gli avevano mai trasmesso nulla nei momenti cruciali della sua vita. Erano stati spettatori freddi e spietati di eventi tristi ed erano sempre vestiti a festa per crogiolarsi nei momenti di felicità. Canaglie travestite da fatine- Leilani la pensava così.

semi di SAKURA

 

  広大なユーラシア大陸、その西端に位置するイタリアと、東端に位置する日本。遠く隔たった二つの国は、長く異なる歴史の中に生き、独自の文化を育んできました。しかし、共に海と山に囲まれ自然に恩恵を受けて来た両国は、古くからシルクロードで密かに結ばれていたように、繋がりを持って時間を重ねて来ました。例えば、イタリアと日本は、両国はともに丁寧な手仕事を持ち、時を超えてそれらを育んできた歴史があります。手仕事は、創造性・想像性に富む豊かな心の動きとしての文化です。

 そして今日、モノや人の移動が自由となり、違う文化を生きてきた人々との出会いは、より日常のものとなっています。しかし、いかなる時代でも、異なる他者に出会いたいという願いは、1人の世界を広げ、そして実際に出会うことは新たな文化を創造する力となってきました。

 この距離的に離れた、しかし繋がりを持った二国の文化が出会いを重ねる事は、新しい文化を生み出すという潜在的可能性を無限に秘めています。両国が育んできた手仕事をはじめとする文化を見つめる事、同時にそれらの出会いがもたらす可能性を想像すること、そして一つ一つを実際の形にして積み上げていくことが、深い繋がりを異なる国の間に創造すると考えます。

 これまでに私たちは、日本の桜の種をイタリア・ピストイアに届け、2008年その地で800本の桜が芽生えました。それらの苗木は、現在、フィレンツエ、ピストイア、ルッカ、シエナ、カンピ、ボローニャ、パルマ、ブッセート、サンマリノ共和国といったイタリア各地の公的機関に寄贈されています。イタリアに寄贈した日本の桜の成長とともに、日本とイタリアの文化的交流もより一層深く豊かに育まれていくことを願いとして活動していきます。

 イタリアに日本の櫻を植樹する会は、人々に親しんで頂きたい呼び名として Semi di SAKURA というチーム名を持って活動していきます。

 Semiというのは、イタリア語で “種” という意味です。
私たちがイタリアにお贈りした桜は、小さな種の形で贈られました。種、それはたとえ、小さなひと粒であっても、そこにはこれから花を咲かす未来が秘められています。semi di sakuraの活動が、いつか満開の花を咲かせる桜の種ように、あらゆる夢を繋ぐ、そして人と人とをつなぐ始まりの一歩となって、広い世界への夢を多くの人たちに抱いてもらうための、想像力を育んでいく活動になることを願っています。